先日,認知症で行方不明となる人が,年間1万人に迫るという報道に接した。
私のところでも,認知症をめぐる問題は近時増加している。
最近,「認知症の親から贈与を受けたが,贈与税の申告をしなかったために,
多額の贈与税と無申告加算税を受けたが,何とかならないか」という相談を受けた。
どうも親のマンションを管理していた娘が,多額の修理費がかかるのを避けるために
別の娘に強引に贈与させたらしいことがわかった。
調べてみると,親はかなり前からアルツハイマー型の認知症だったようだ。
それで,その旨の診断書と最近の裁判例をつけて,贈与の無効を理由とする
減額更正請求手続きをしたところ,税務署は,あっさりとこれを認めて,
収めた税を還付してきた。
税務署も認知症には勝てないようだ。